日本電気泳動学会

第72回総会

2021年7月14-16日

ご挨拶

電気泳動法はさまざまな研究において重要なツールとして使われてきました。タンパク質や核酸などの生体物質をそれぞれの物理的な特性にしたがって分離し、分取し、解析することで、私たちは生命現象の分子背景に迫る研究を行ってきました。電気泳動法は基礎研究のみならず疾患研究や臨床検査にも広く用いられ、多くの研究室や検査センターにおいて、なくてはならない技術として使われています。電気泳動法は我々の社会においてこれからも重要な位置を占めていくでしょう。 

一方で、電気泳動法の可能性はまだまだ追及する余地があること、そして長年の課題が依然として残されていることにも我々は目を向ける必要があります。たとえば、電気泳動法で観察される多くのタンパク質は翻訳後修飾を受けていますが、分離されたタンパク質を効率よく分取し解析する手法や、翻訳後修飾のデータを機能と結びつけて解析する方法は標準化されておらず、個々の研究者の経験や力量に委ねられています。また、ゲノム解析で同定される興味深い遺伝子の機能を調べるにあたりタンパク質の機能解析は必須になるわけですが、タンパク質を多角的に調べるための方法論はいまだ確立されていません。このような課題を解決していくことで、電気泳動法は時代に即して発展していくでしょう。 

今回の総会では、コロナ禍の状況を鑑みてオンラインの開催としました。オンラインの開催はすっかり定着した感があります。皆様にはリラックスして聴講、議論に御参加していただければと思います。 

 

オーガナイザー 近藤 格

国立がん研究センター研究所

希少がん研究分野


開催概要

名称:      第72回日本電気泳動学会総会

会長:      近藤 格(国立研究開発法人  国 立がん研究センター)

会期:      2021年7月14-16日(水、木、金)

会場:      WEB開催(事前登録が必要です)

参加費: 無料